2025年
「時間」は二種類ある、という話があります。ひとつは「輪の時間」、ひとつは「矢の時間」です。輪の時間はたとえば毎日、毎月、毎年とくるくる回る、サイクリックな時間です。1月から12月まで進むと、またもとの1月に戻ります。
一方の「矢の時間」は、まっすぐに突き進んで、戻ってくることのない時間です。たとえば、年数がそれです。2024年の次は2025年、その先は2026、2027と、まっすぐに増え続けます。二度ともとに戻りません。
過去から現在、未来に繋がる時間を、私たちは「矢の時間」と認識します。一方、たとえば「流行はくり返す」「歴史はくり返す」というように、くり返されるものを感じながら生きているところもあります。四季は何度も巡ります。何度も桜を見ます。
多くの人が過去を懐かしみ、同窓会を開いたりして、旧交を温めます。「昔に返りたい」という思いを、多くの人が抱いています。タイムマシンで「行ってみたい」のは、未来よりも過去だという人が少なくありません。ですが、どんなに過去が懐かしく、慕わしくても、私たちはどうしても過去に戻れなくなることがあります。
たとえば故郷が紛争地になってしまい、二度と戻れない、という人がいます。原発事故で進入禁止になり、故郷に戻れなくなった人もいます。古巣の会社が潰れたとか、学校が廃校になったとか、「いつか帰ってみたい」と思っていた場所を、私たちは色々な理由で失わされます。
時間の流れの中で「もう戻れない」となった時、私たちは胸の痛みを感じます。それでも、私たちの前には、進んでいくべき未来があります。過去に戻れないことの痛みを抱えたまま、全く新しい未来へと進んでゆくしかありません。
2025年、乙女座の人々は、とても「未来志向」です。そこには「過去に戻りたい」という動きが全くありません。新しい世界、新しい場所、新しい時間、新しいシステムに向かって、まっすぐに歩を進めます。
2025年は乙女座の人々にとって、間違いなく「矢の時間」です。進めば進むほど、どんどん景色が変わります。既視感は全くありません。もとい、秋口からは少し、既視感のある風景に出会うかもしれませんが、それも一時的なことです。
ちょっと忘れ物を取りに戻ったら再び、「矢の時間」の軌道に乗り、2026年前半には完全なる「未来」へと突き抜けてゆきます。決して過去に戻ることはありません。
ですからもし、「いつかまた」と思っている相手がいるなら、できるだけ早く会っておくべきです。帰ってみたい場所があるなら、早く行っておく方がよいのです。2025年の中なら、まだ間に合うはずです。
もちろん、これから長い時間を経て、また「輪の時間」に巡り会うこともあると思います。ですが2025年という年は少なくとも、「輪の時間」の中に安住できないのです。未来を見つめて突き進む、その勢いが全てです。
そのことにあなた自身、きらめくようなワクワクした思いを抱いているはずです。その期待に応えるものが、2025年、あなたを待っています。