今年の占い

2022年

2022年のテーマの一つに「救い」があります。

2022年の木星と海王星に示される蠍座の「救い」とは、どんなものでしょうか。
「救い」は「危難から逃れること」「希望や明るさを感じさせ、気持ちをホッとさせること」などを意味します。苦しみから逃れさせてもらえるのが「救い」ならば、蠍座の「苦しみ」とはなんでしょうか。

蠍座は、深く強い愛を生きる星座です。その愛のあり方は、「融合」そして「支配」に通じます。人が人を、あるいは何か他の対象を、完全に自分のものとして愛することは、可能なのでしょうか。蠍座の世界では少なくとも、そのことが希望となっています。蠍座の対岸は牡牛座ですが、この二星座は「所有」というテーマを共有しています。何かを自分のものとすること。それが、蠍座の願いの根底にあります。だとすれば、蠍座の人々にとってもっとも辛いことは、「失う」ことだろうと思います。あるいは、何かを支配できないということ、手の中から大切なものが逃れ出て行くということだろうと思います。

2022年、海王星と木星が並び立つ魚座の「救い」は、蠍座から見て「愛」の場所にあります。魚座は限りない自由の星座でもあります。魚座的な愛とは、与え、許し、解放することです。蠍座的な愛が、小さな池の中で育まれるとするなら、魚座的な愛は、広い海に放流するようなものなのです。蠍座の人々が心の中に大切に、宝石箱に宝石をしまうように、アコヤ貝が真珠を抱くように、抱きしめておきたい愛。なのに、蠍座の愛の救いは、広い海にそれらを解き放つことだというのです。

閉じ込めれば閉じ込めるほど、それは外に逃げだそうとします。一方、閉じ込めることをしなければ、それは絶対に逃げ出しません。閉じ込められていないのですから、逃げる必要が無いのです。逃げ出さないなら、失わなくてすみます。蠍座の心にある恐怖や、蠍座の人々が経験する深い悲しみは、「もう逃げ出さないもの」によって救われるのかもしれません。「閉じ込めない」という愛のあり方を肯定したとき、蠍座の人々の最も深い恐れが消え去るとすれば、たしかにそれは「救い」となるのかもしれません。

蠍座は古くから、死と関連付けられています。蠍座から見て魚座は「子供」を象徴する場所でもあります。人間は、生き物は、必ず死にますが、その命を新しい命に託してゆくことが「救い」となる、と感じている人は少なくありません。命は、一つの個体だけを見ていれば「生まれて、死ぬもの」ですが、人間全体、生き物全体を通して見ると、いつもそこに生きています。人間一人の命は、果たして自分だけのものなのか。昨今の世の中では「自己責任論」がはびこり、一人一人の人間が切り離されて生きているように考えられています。でも、命というのはきっと、「別の命」があってこそ、希望を抱けるものなのかもしれません。蠍座の人々の「救い」は、利他的な愛の中にあります。蠍座の人々の、他者への限りない優しさは、そのあたりを源泉としているのかもしれません。