今年の占い

2024年

最近、クリスマスの「アドベントカレンダー」が、日本でも少しずつ浸透しているそうです。

箱形のカレンダーの、日付の部分が切り取り線などで開くようになっていて、中にキャンディーやチョコレートなどが入っているのです。クリスマスまでの時間を指折り数えるように、毎日ひとつずつ「何が出てくるかな?」とつまみ出したお菓子を味わって、楽しむのです。

毎日、未知の扉を開いて「何が出てくるかな?」とワクワクするのは、人生の縮図のようでもあります。

ただ、アドベントカレンダーと「人生の、毎日の扉」が違うのは、前者は何かしら必ず入っているけれど、後者は「何も出てこない」「空振り」があり得る、という点です。

人に話しかけて、返事が返ってこないことがあります。挑戦して、失敗することがあります。応募して、落選することがあります。訪れたお店が閉まっていたり、授業が突発休講だったり、好感触だった案件を横取りされたり、恋した相手に恋人がいたり、目当てのパンが売り切れていたり、等々、人生の扉を開いて「ちゃんと自分のためのものがそこにある」確率は、「何もない」場合より、ずっと低いのかもしれません。

それでも私たちは、何度空振りしても、また立ち直り、希望を抱いて次の扉を開きます。道のないところに道をつくり、知人のないところになんとか伝手を探し、閉じかけた扉をこじ開けて、その向こうに何があるか知ろうとします。

「身内」「家族」も、最初からそうだったわけではありません。生まれ落ちた場所では確かに「身内」はすでにそこにいる人々ですが、大人になってからは「他人」を「身内」に変えるプロセスを踏んでゆくことになります。無関心だった人の目を惹きつけ、無関係の人を味方にし、私たちは自分の世界を広げます。

たとえばマンガや映画、ドラマなど、フィクションの世界では時に、ヤケに押しの強い人物が登場して、あまり乗り気でない淡泊な主人公をぐいぐいドラマに引きずり込んでいく、というシチュエーションが描かれます。ですがあんな展開は、現実世界ではほとんど起こりません。誰も「最初の一歩」を引き受けないままに、「結局何も起こらなかった」というストーリーの方が、「現実的」です。

ゆえに、扉を叩く人、扉を開く人は、とても重要なのです。空振りや拒否を恐れて動かないマジョリティの中で、最初の一筋の風を起こす人が必要なのです。その人は時に嗤われたり、警戒されたりします。馬鹿にされたり、敬遠されたり、排除されたりすることもあります。

それでも、ドラマの「最初の扉」を開く者だけが、その先に待っている輝かしい何事かをつかむことができます。恋愛でも、仕事でも、交友関係でも、その他のことでも、同じです。自ら扉を開ける労を執った人だけが見られる景色があります。

射手座の人々はもともと、「扉を叩き、扉を開く」力に恵まれています。誰かが扉を開いてくれるのをじっと待っている射手座の人は、少数派だろうと思います。2024年、あなたのその才能が新しい力を得て輝きます。たくさんの扉があり、それらをどんどん開いて、向こうにあるものと出会えます。おそらく2024年のあなたの世界は、あの、アドベントカレンダーに似ています。

開いた扉の向こうに、必ず「何か」があるのです。素敵なお菓子、煌めく宝物、長い間自分でも気づかぬうちに望んでいた何ものかが、全ての扉の向こうで、あなたを待っています。


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