石井ゆかりの今年の星占い

牡羊座の2016年|石井ゆかりの12星座占い

石井ゆかりが2016年の牡羊座の運勢を読み解きます。1年間のテーマや時期についてなどたっぷりの内容でお届け。2016年のお守りとして、ぜひ参考にしてください。

2016.1.1

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牡羊座
Aries

総論

たとえば。
あなたは今、長い長い階段を
時間をかけてずっと一人でのぼってきたところです。
もう数段先に、
目指していた場所が見えています。
このままのぼっていけば、そのまま
その場所にたどり着くでしょう。
これまで階段をのぼりながらずっと
心の中で、目指し続けていた場所です。
ここまでのぼってきてしまったら、もはや
「どう進めばいいか、わからない」
というようなことはありません。
少なくとも、その場所にたどり着いてしまうまでは
一本道です。

そんな場所まで来て、
あなたはふと、足を止めます。
上ばかり見ていた眼差しを、
背後や、足元にうつします。
これまでのぼりつづけてきた階段を下に見下ろし、
手の中や足元、背負ってきたカバンの中を
つぶさに見つめたい気持ちになるのです。
これは、感傷ではありません。
センチメンタルな「振り返り」ではありません。

上へ、上へとのぼりつづけるとき
私たちは多分、いくつかのことを
「見なく」なってしまうものなのかもしれません。
ごくわかりやすい例で言うなら
仕事や勉強に打ち込みすぎて身体を壊し、
結果を出す前に倒れてしまう
といったようなことです。
結果を出すためにもっとも大事な「体調」のことが
「上」しか見つめなかったために、
見えなくなってしまっていたわけです。

野菜には、アクの強いものや苦みのキツイものがあります。
果物には、皮や種を取り除かないと食べられないものや、
ちょっと食べにくい形をしたものなどがあります。
毒のあるもの、食べるところがちょこっとしかないもの、
カロリーが高すぎるもの、下ごしらえが大変なもの、
育てるにはコストがかかるものなど、
食べものとなる動植物には、
さまざまな「問題」を抱えたものがたくさんあります。
私たちは、そういう動植物を前にして
「おいしいところだけならいいのに」
「面倒くさいところは、いらないのに」
と思ってしまうこともあります。
でも、そうした「食べるには面倒くさいところ」こそが
おいしさや栄養の土台となっていて、
私たちは間接的に、その恩恵を受けている場合も、
多多あるのではないでしょうか。

人間の生き方や活動にもたぶん
そんなところがあるのではないかと思います。
「面倒なところは切り捨てて、いいところだけで生きたい」
という考え方こそが、
前述のたとえのように
「頑張りすぎて体調のことを忘れて、身体を壊す」
というような、
ごく解りやすいトラブルを引き起こします。
私たちの中には実際、
たくさんの「面倒なこと」が含まれています。
身体的な制約もその一つです。
どんなに寝ないで頑張りたくても
眠らないでは機能しない「限界」があるわけです。
これは、調理しなければ外せないアクにも似ています。
人間にとっての「アク」や「毒」には、
身体的な条件だけでなく、さまざまなものがあります。
考え方や感じ方、価値観なども
場合によっては「面倒なこと」となりえます。
ですがもともと、「アク」や「毒」は
その植物を守る働きをしていたのです。
フグの毒も、フグ自身を守るためのものであって
その毒がなければ、釣り上げられる前にそもそも、
死んでしまっていたかもしれないのです。

2016年は、星座を問わず、
9月に大きな「扉」の置かれた年です。
牡羊座の人にとって、2016年9月までの時間は、
上記のような
「もう少しで頂点にたどりつく、その手前で
今まで見落としていたものや無視してきたものに対し
ごく現実的で、ある意味『ベタ』な取り組みをする」
ような時期に当たっていると思います。
華やかなものを目指せば目指すほど
小さな、日常的な、泥くさい作業が必要になるのです。
大きな舞台に立てるチャンスが近づいてくるほど、
単純作業や細かい部分への目配り、
自分の弱点への眼差しとか、
「生活」に手をかけることなどが重要さを増すのです。

すばらしい芸術を生み出す人や
世界をあっと言わせる結果を出すアスリートは
しばしば、とてもこまかいことを考えています。
小さな努力を積み重ね、細部にこだわります。
そして、そのこだわりも、
結果に照らしあわせて、どんどん変化させていきます。
煌びやかな衣装と、人を涙させるような感動的な歌唱の裏側に
のど飴とか、シップなどがあるということは
観客の目には見えません。
でも、その隠されたところにある、
ある意味「ベタ」な、余り格好良くないけれどもとてもリアルな部分こそが
世の中のニーズに応える力をかたちづくっているわけです。
これらは、前述の「アク」「毒」などとどう関わるか、
ということに通じます。
「自分が自分である」ということと、
ベタに、リアルに向き合う姿勢があってこそ
実現できる夢があるのです。

「自分が自分である」ということは、
部分的に切り離すことなど、できません。
フグは、毒の部分も、フグです。
フグを食べるときには、毒の部分は切り捨てますが
人間は、ある部分だけ切り捨ててしまう、
というわけにはいきません。
もちろん、外科手術のような場では
そのようなことも起こりますが、
私たちは自分から何かを切り離したときでさえ
それを「切り離した」という現実を
消化して、自分の中に取り込んでしまう作業をしなければなりません。
2016年、牡羊座の人は、
自分のなかにあって切り離しがたい自分自身を、
新しい形で「自分のものにする」ことになるだろうと思います。
あるいは、大きな成功を目前にして、
その前にどうしてもやっておかなければならない、
ごくベタでリアルな作業に取り組むのかもしれません。
素晴らしいルールを取り決めても、
それが心の現実にフィットしていなければ
ルール自体を見直さなければならない場合もあります。
私たちが頭で考えたことがすべて、
「心」のほうまで了承してくれるとは限りません。
たぶん、「現実ととりくむ」ということは
頭で考えたことと、心が了解することとの
その交わる場所を模索することを意味するのかもしれません。

2016年9月を境に、牡羊座の人の多くが、
長らく目指していた「頂点」に立つために、
ぽんと「世に出る」ような経験をすることになるだろうと思います。
「振り返り」のプロセスを終えて、
今度は、元通り、もう少しで到達できるその目的地を
まっすぐに目指して進んでいけます。
目的地に近づくほどに、
人生に深く関わってくれる、大事な人物に出会う機会も増えるでしょう。
そのとき、9月までの、
あの、ベタでリアルな取り組みの「真価」が表れます。
前述のたとえで言うならば、
のど飴とシップの置かれた控え室を出て、
舞台に向かって歩き出すようなシフトが起こるのが、
この9月なのです。

時期について

1月から2月にかけて、非常に忙しい時期となります。
ですが、この忙しさは前に向かって直線的に走っていくような忙しさではなく、
前述のような「振り返り」や「現在地確認」、
場合によっては「やりなおし」を含む、
後戻りするような感覚の忙しさとなるかもしれません。
更に言えば、自分一人が走っていればいい、という忙しさでもなさそうです。
人の力をどう使うか、人とどう委ねあい、託しあうか、
ということも、
見つめなければならない大きなテーマとなるでしょう。
経済的な面でも、動きの大きい時です。
ここでも、自分のお財布だけを見つめていればいいのではなく、
もっと大局的な関わりの中で、
お金の流れを見定めることが必要になるかもしれません。

2月中ほどから3月頭は、仲間に恵まれる楽しい時期です。
かなり自由に動き回ることが出来るでしょう。
密かに悩んでいたことに決着がついたり、
迷いが吹っ切れたりする人もいるかもしれません。
3月中ほどを境に、
非常に遠くまで遠征する人もいるかもしれません。
旅行や出張、留学などに出る人も多いはずです。
この「旅」の季節は、長ければ秋口まで続いていく、
かなり長丁場のプロセスです。
3月下旬は、人間関係において
不思議な「熟成」が感じられる出来事が起こるかもしれません。
誰かとの関わりが、面白い出来事を契機として、
一段階先に進むようなこともありそうです。

4月は、あなたが「主役」として、
大活躍することになるでしょう。
やりたいことに思いきり取り組める、
とても「熱い」時期となっています。
注目されますし、
誘われたり、褒められたりする場面も多いかもしれません。

4月末から5月にかけて、
経済的な面で
「ボタンのかけ直し」のような作業が必要になるかもしれません。
過去に遡って計算をやりなおしたり、
普段の生活のあり方を見直したりする時期です。
そうした「あらためて確かめる」作業を終えたところで、
気づいていなかった取りっぱぐれを
取り返せるようなこともあるかもしれません。
なくしたものが戻ってくるようなことも起こる時期です。

6月はとてもたくさんのことを学べる時期です。
コミュニケーションもゆたかに盛り上がり、
たくさんの知識や情報のやりとりの中から、
あなたが個人的に、本当に知りたかったことを
知ることができるようになるかもしれません。
あるいは、あなたが
「厄介だなあ」とばかり思っていた自分のある個性を、
「こういうふうに使えば、武器になるぞ!」
というふうに、
捉え方を転換することも出来るかもしれません。

7月はどちらかと言えばプライベートな世界が
喜びに包まれるような時期となっています。
クリエイティブな活動をしている人は
この時期、素晴らしいアウトプットができそうです。
遊びや趣味なども、とても楽しめるでしょう。
家族との関係にも、素敵な追い風が吹きます。

8月は雑多な忙しさがあるかもしれません。
こまかい用事がてんこ盛りで、
優先順位を考えずに、
片っ端から動いて行く、というような状況になるでしょう。
また、月の中程、
意外な方角からすばらしい「恵み」を受け取れそうです。
純粋に「嬉しい!」と思えるようなミラクルが起こります。

9月は前述の通り、
星座を問わず、大きな転機にさしかかる人が多い時期です。
「学校を卒業して、世の中に出る」
「準備段階を終えて、本番を迎える」
といったような節目です。
ただし、ここでは「スタートダッシュ!」的な勢いは、
全く感じられないかもしれません。
このシフトは9月という時間の中で、
まるで季節の変わり目のように、
行きつ戻りつしながらじわじわと展開していきます。
中には、体調を崩す人もいるかもしれませんが
そこで歩をゆるめてじっくり過去と未来を見渡すとき、
自分が今どんな場所に立っているか、
ハッキリ見定められるのではないかと思います。

10月は、かなりハデな時期となっています。
重要な出会いがあり、大きな計画が持ちあがり、
あらゆるところで、
そうしょっちゅうは起こらないようなことのスタートが切られます。
特に、なにかしら「これを叶えたい」と熱望していた夢がある人にとっては
その夢に飛躍的に近づく契機がめぐってくるかもしれません。
大きなチャンスをつかむ人もいるでしょう。

11月は少しリラックスした気分になれそうです。
交友関係を拡げられますし、
行動範囲も広がるでしょう。
「普段とは違ったものに触れたい」
「慣れた世界の外側に出てみたい」
という気持ちが強くなるかもしれません。
月末、誰かがあなたの野心を強く刺激してくるようです。
「この人となら、夢を叶えられるかも」
というような協力体制を作れる可能性もあります。

12月は、新しい年への意欲的な計画をどんどん立てていく中で
「今までにない、新しい方向に進んでみたい」
という意欲が湧くかもしれません。
この意欲が、あなたにまず
「では、今までやってきたこととは、何だろう」
というふうに、過去を振り返らせるようです。
過去を再定義したとき、
「新しい方向」も自然に見えてくる、
そんな作業をしつつ、新年を向かえることになるでしょう。

愛について

2016年9月から2017年10月にかけて、
「パートナーシップ」の時間となっています。
この時期、パートナーを得る人が少なくないでしょう。
既にパートナーがいる人も、
相手との関係が一皮むけたり、
お互いに相手から大きく得るものがあったりするかもしれません。

「パートナー」と向き合う時間の手前にあたる、
2016年年明けから9月までの時間帯は、
まさにその「準備」を続ける人が多いかもしれません。
たとえば、恋愛をすると日常生活のリズムが崩れてしまう人もいます。
本来の「自分」を見失ってしまったり、
人生における「他の大事なこと」がおろそかになる人もいます。
恋愛のトキメキを楽しんでいるときは、
そうした状態も「アリ」かもしれませんが、
長く続いていくパートナーシップ、と考えると、
生活や現実をおろそかにしたままでは、
たぶん、うまくいかないだろうと思います。
2016年、9月までの時間帯は、いわば、
「激しい恋のときめき」と、「誠実なパートナーシップ」の、
その「あいだ」に必要になるプロセス
が置かれているのです。
すでにパートナーがいる人であっても、
お互いの関わり方の中に、
どこか幼いところやアンバランスなところというのは、
含まれているものではないかと思います。
そうしたバランスの悪さを、
消しゴムで消すように「消し去る」のではなく、
新しい形に組み立てなおすような、
あるいは、強みとして「昇華」させるような、
そんなプロセスが進んで行くのかもしれません。

愛に追い風が吹くのは、
1月、4月、7月半ばから8月上旬、8月末から9月です。
さらに、愛のミラクルが起こりそうなのが、
3月下旬です。

1月から3月頭、6月から7月は、
非常に官能的な時期でもあります。
この時期は、第三者には決してわかりようのないような
心と心の深く熱い融合が起こるかもしれません。
近づけば近づくほど相手の無限の宇宙に吸い込まれていくような
不思議な体験をする人もいるかもしれません。

おわりに

高い理想を追いかけつづけて、
とうとう、それが現実に変わろうとするとき、
私たちは未来よりも現在に重心を置くことを要求されます。
もはや、夢見たことは遠い未来にではなく、
いまここ、目の前にあるわけです。
夢見たことが目の前に訪れたとき
私たちが目にするのは、
夢見たときの夢ではなく
あくまで、いつも目の前に在る現実に過ぎません。
これは、雲に似ています。
空の雲はまるで、わたあめのように実体があるものと見えますが
山頂で雲の中に包まれたとき
それが、手でつかんだりすることの出来ない、
霧のようなものでしかないとわかります。
では、「雲などない」のかというと、
決してそうではありません。
雲は、ちゃんとあります。

2016年9月以降の牡羊座の人は、
そういう意味で、言わば
「雲をつかむ」「雲に乗る」
ような時期に入っていくことになります。
雲がわたあめのようなものではない
とわかった状態で、
さらに、夢見た雲を目指していくのです。
月にうさぎがいなくとも
火星に火星人がいなくとも
人間は、その場所に憧れ、行ってみようとします。
そこではもう、かつてのふわふわした夢は大きく変化して、
「目指したものの中に、本当に入ってゆく」
という、新しくもリアルな興奮や歓喜に包まれるのです。

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